空気が淀んだ室内を数値で見える化できる「二酸化炭素濃度計(CO2センサー)」。
我が家では既に新型コロナウィルス感染症対策として家族が集まるリビングにCO2センサーを設置していましたが、自分の部屋にも欲しいと思い、
さらに今回はネットワークに繋ぐことで「部屋のCO2濃度に応じて換気扇を自動的にON OFF」するという目的に絞って色々調べた結果、LinkJapanという会社から発売されている「eAir」にすることにしました。
この記事では、実際に使用したレビューと良かった点、悪かった点を書き留めておきます。
なぜ「eAir」を選んだのか
いきなり余談ですが、ネットワークに接続してIoT家電と連動できるCO2センサーは他にも色々ありますが、
何故「eAir」を選んだのかというと、我が家には既にこの「eAir」と連携できるスマート家電があったのが一番の決め手でした。
他の製品は連動させるには改めて対応している他の機器を買う必要があったり、ネットワークに繋ぐにはHubなどの親機が別に必要であった為、これ一つを買えば良いという理由で「eAir」を選びました。
[開封]内容物、付属品
「eAir」の化粧箱は全面無地の真っ白。
一見、なんの箱?と思うぐらい無機質な見た目です。
大きなロゴも商品名もなく、一片の隅に小さくシールが貼られているだけでした。
開けるといきなり本体が出てきます。
ケーブル類は本体の下に収納されています。
内容物は、
- eAir本体
- microUSBケーブル
- USB ACアダプター
- 補正の説明書
- 保証書
と、かなりシンプルな中身です。
本体外観
しっかりとした安っぽくない本体です。
ディスプレイ表示
背面の電源を入れるとすぐに画面が表示され、測定が開始されます。
ディスプレイには、CO2濃度、温度、湿度などが常に表示されます。
表示は3秒ごとに更新されます。
温度や湿度も他の温湿度計と比べても誤差はなく、正常な値を表示していました。
CO2濃度別カラー表示
ディスプレイの回りのリングの色は、CO2の濃度によって色が変化します。
と言ったように、ぱっと見で換気をするべきかしなくても良いのかが一目瞭然で分かります。
精度補正
CO2センサーの多くに採用されているNDIR非分散型赤外線センサーは、その精度を保つために定期的に補正を行う必要があります。
「eAir」も補正を行う為、定期的に換気の良い場所に移動させる必要があります。
手動補正はちょっと説明が分かりづらいですが、背面のWi-Fiボタンを3回連打して、補正モードに入ったら、部屋の換気の良い場所に数時間だけ置いて補正をしてくださいということだと思います。
基本的には定期的に換気をするか換気の良い場所に移動しておけば自動的に補正してくれます。
数値の正確性
Amazonのレビューでは、多くの方が他社のCO2センサーよりも高い数値が出ていると言う通り、我が家では並べた他社のCO2センサーよりも100~200ppmほど高く表示される時があり、基本的に少し高く計測する印象ですが、ほとんどは同等の数値でした。
しかし逆に他社のCO2センサーが低い数値を出している可能性もなきにしもあらず。もはやどのセンサーの数値を信用するかの問題になってきます。
なにより数値の上下は他のCO2センサーとほとんど同じで、センサーとしてはきちんと動いているようなので、特に問題に見ていません。
バッテリー持ち
「eAir」は充電してバッテリー駆動でも動かすことができるので、電源のない場所でも使う事ができます。
実際にどれぐらいバッテリーが持つのかを図ってみたところ、満充電から大体4~5時間ぐらいで表示が消えました。
4~5時間ではあまり実用的ではないので、基本的には電源の差しっぱなしで補正の時にだけ電源を外すといった様な使い方になると思います。
セットアップ
「eAir」は特に何もせず電源を入れるだけでCO2モニターとして使う事ができますが、「eAir」の真骨頂はネットワークに繋いで、様々なIoT家電と連動させることができる点です。
セットアップ
「eAir」をネットワークに繋ぐには、まずHomeLinkというアプリをスマホにインストールします。
アプリをインストール後に、ユーザー登録をしてデバイスの追加から「eAir」を追加するとネットワーク機能を使用することができます。
基本的にアプリの画面に表示された指示に従えば特に躓くこと無く設定できると思います。
注意:2.4GHzにしか対応していない
「eAir」はWi-Fiの2.4GHz帯のアクセスポイントにしか接続できません。5GHzには接続できないので注意が必要です。
アプリの使い勝手

HomeLinkは「eAir」の他にも様々なIoT家電を管理できるアプリですが、今回は「eAir」の使用に限っての使い勝手についてレビューします。
数値の更新が遅い
この様にアプリからでも「eAir」が測定したCO2濃度の表示を確認できるのですが、このアプリに表示された数値は約3分~20分間隔で更新され、いつ更新されるかはバラバラです。
「eAir」本体のディスプレイ表示は3秒毎に更新されますが、アプリの表示は最低でも3分毎に更新され、リアルタイムでは更新されないので、アプリに表示された数値は数十分前の数値だったということも確実に起きます。
一応、履歴から最後の数値を見れば、何時何分のデータなのかを確認することはできますが、任意でデータを取得できず、最新の数値を見るには何度かアプリを起動し直さなければなりません。
アプリでの数値の確認は本当におまけと思っておいた方が良いです。
様々なIoT家電と連動できる
そして「eAir」の強みはなんと言っても他の家電との連動性です。
例えば、
- CO2の数値が上がったら換気扇を付ける
- 数値が下がったら換気扇を止める
といったようなことをネットワークを介して自動で行ってくれます。
この連動の設定は全てHomeLinkアプリから行います。
実際に連動の設定をした所、「eAir」のCO2の数値が設定基準に達してから換気扇が動くまで大体1秒~1分までのラグがありました。
連動ではなくアプリから任意で換気扇の電源を操作すると、大体1秒もかからない速さで反応してくれるので、この連動の遅さには「あれ?」といった感想です。
サーバーに負荷をかけ過ぎない為なのか、数値を読みに行っている周期が1分間隔で、早いときはCO2の数値が達したら即座に連動しますが、長いときはCO2の数値が達しても約1分後に反応しました。
しかし、きちんと数値に反応してちゃんと動いているので、これは然程問題でもありません。
使い方は無限大
また、温度、湿度にも対応しているので、暑い場合には冷房を付ける、乾燥しているときには加湿器を付けるなどの連動設定も可能です。
ちなみにHomeLinkアプリでは2022年8月現在、以下の家電機器やサービスとの連動が可能です。
また、eRemoteという学習型の赤外線リモコンを連動させれば、赤外線で操作できる家電は全て連動させることも可能です。eRemoteはAlexaなどの音声デバイスからでも操作できるのでとてもお勧めです。
良かった点
他の家電と連動できる
何より本来の目的である室内のCO2濃度によって、他の家電を動かす事ができるという、当初の目標が達成できたのが一番良かった点です。
表示が大きく見やすい
表示も大きく、色でも現在換気が必要かどうかが分かりやすい点も良いと思いました。
アプリでモニタリングできる
リアルタイムではありませんが、外出先からもアプリで室内の温度や湿度もモニタリングできるのも付加価値としては良かったです。
残念だった点
ディスプレイが明るすぎる
まずディスプレイの輝度が高く、調整ができません。
明るい方が見やすいということでもありますが、場所によっては結構主張が強いので、もうちょっと段階的に暗く調整できたら良かった。
アプリ連動の条件が1つしか設定できない
HomeLinkアプリでは、例えば「GPS計測でセンサーの周辺200mに近づいたら」や「室温が○度に上がったら」といった様な条件で家電を自動的に操作することができるのですが、この発動条件は1つしか設定できず、
これが例えば、「GPS計測でセンサーに近づいたら」かつ「室温が○度以上なら」といった複数条件の組み合わせができないので、便利かと思いきや意外と自由度はあまりない印象です。
他にも、HomeLinkには様々なセンサーと組み合わせることができるので、条件の組み合わせができたら可能性は無限大に広がるかと思います。
この辺りはアプリのアップデートでどうにかなる所なので、今後に期待したいところです。
総評
今回は「CO2濃度に応じて他の家電を動かしたい」といった目標があったので、その目標が達成できただけでも良かったです。忘れがちな換気を自動で行ってくれるのはとてもスマート。
残念な点で上げた部分は然程問題でも無く、CO2センサーとしての本来の動作も我が家では特に問題も無く働いているので、なかなか良い製品だと思います。