映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』感想(あらすじ&ネタバレあり)

ドラゴンボールZ 復活の「F」 とは

ドラゴンボールZ 復活の「F」
日本公開日:2015年4月18日

破壊神ビルスとの戦いの後、フリーザ軍の生き残りがドラゴンボールを求めて地球にやってくる。フリーザ軍の目的はただ1つ。フリーザの完全復活。そして蘇ったフリーザは悟空達をも凌駕するほどのパワーアップをして復讐しにやってくる。

ネタバレが含まれます

これ以降は作品の内容に深く関係する記述が多く含まれます。

本編のあらすじ(ネタバレ)

あるお花畑に囲まれた木が。
その木にみの虫の様に吊されたメカフリーザの姿が。
そのメカフリーザの周りを軽快な音楽で歩き回る可愛らしいぬいぐるみ達。
そんな環境にイライラするメカフリーザ。

一方、はるか遠い宇宙では、フリーザ軍の残党がある計画を遂行しようと企んでいた。

フリーザ無き軍を支えていた ソルベ はフリーザの復活のためにドラゴンボールを探していた。
これまでずっとそのドラゴンボールを生み出せるナメック星人を探していたが、全く見つからず、仕方無く地球へ行くことを決心。

地球には孫悟空が居る事も理解しており、気でバレないように、ソルベと軍の一員である タゴマ の二人だけで地球に乗り込むことに。

ソルベとタゴマはすぐにドラゴンボールを隠し持っていたピラフ一味を見つけ出し、最後のドラゴンボールを手に入れ神龍を呼び出す。

ソルベは早速フリーザの蘇生を願うが、フリーザは青年トランクスに粉々に切り刻まれており、肉体かがない者に魂を戻しても復活は出来ないと神龍に忠告される。

しかしフリーザ軍はそれまでの間に再生装置を改良。それでフリーザを元の姿に戻すことが出来ると、そのまま生き返らせることに。
すると目の前にフリーザの肉片が。
プニュプニュと動く肉片にフリーザの生命力の強さを感じるソルベ。

神龍はもう一つ願いを叶えることができると言うが、ピラフ一味が隙を見てどうでも良い願いを頼んでしまう。

怒るソルベだが、サイヤ人に見つからないためにもフリーザだけでも生き返らせることができた とすぐに宇宙船に乗り込み撤収。

悟飯とピッコロは神龍の出現とソルベとタゴマの気に気付いていたが、結局よく分からず仕舞いで なんだったんだ?と。

そして宇宙船ではフリーザの復活が目前。
再生装置の中でうごめく物体。
ガラスを割り、ついにフリーザ復活。

それまでの出来事や、悟空が力を付けていること。フリーザ軍の衰退など状況を把握したフリーザは、悟空への復讐を計画する。

復讐には今以上のパワーを付けなければならない。
今まで天才とされてきたフリーザは何のトレーニングもせずとも、その恵まれた力で周りを重圧してきたが、そんなフリーザがトレーニングをしたらどうなるのか、と4ヶ月間のトレーニングをすることに。

一方、地球ではある一機の飛行船が襲来。
そこに乗っていたのは銀河パトロールのジャコ。
ジャコはフリーザの復活を知らせにブルマの元へ。

フリーザの復活を知ったブルマは直ぐさま悟空に知らせたいが、その悟空ははるか遠い星でベジータと共にウイスから修行を受けている最中だという。

一応ウイスが好きそうなデザートを掲げて天に呼びかけるブルマ。

一方、フリーザの復活を聞いた警官の職をこなしていたクリリンは改めて頭を丸め、亀仙人と向かうことに。

その頃、悟空とベジータはウイスと修行中。
二人の攻撃はウイスに全く当たらず、赤子が遊ばれているかのように扱われ、全く相手にならない様子。
休憩中に、ウイスは二人の弱点に言及。
ベジータは高いプライドが邪魔をして成長が阻害されていると。悟空のように戦闘以外ではリラックスが必要だと。
しかし逆に悟空はリラックスし過ぎて、その気の緩みが身体を脆くすると。

一方、フリーザ達は地球へ。

手始めに北の都をデスビーム一発で崩壊させる。

そこに駆けつけた悟飯とピッコロはその惨劇に言葉を失う。
続いて天津飯と亀仙人を抱えたクリリンも駆けつける。

ヤムチャと餃子は危険の方が大きいだろうと、悟天とトランクスはブルマの命令で不参加。

悟飯達に気付いたフリーザは「孫悟空はまだか?」と復讐しに来たことを開かす。

するとそこにジャコの宇宙船に乗ってきたブルマとジャコ。
しぶしぶジャコも戦闘に参加することに。

そしてついに戦いの火蓋が切って落とされた。

何千ものフリーザ軍を相手に6人で相手をする悟飯達。

なんとか着実にフリーザ軍の数を減らし、残りはフリーザとソルベのみに。
驚くソルベだが、全て想定の範囲内だと余裕なフリーザ。

クリリンが持ってきた仙豆もジャコは要らないと断り2粒を残して体力も回復。

ついにフリーザと対するも、まず先に悟飯が軽く倒され心停止させられてしまう。

ピッコロの応急処置でなんとか意識を取り戻し、仙豆で回復。
仙豆の効果に驚くフリーザ。

一方、悟空達はやっとブルマからの交信に気付き、フリーザの復活を知ることに。
すぐさま瞬間移動で地球へやってきた悟空とベジータ。

久々に顔を合わせる両者。

そしてお互いの戦闘力の成長に驚きつつも、フリーザは油断しない といきなり最終形態に変身。

そのフリーザの気の強さに驚く悟空達。

フリーザがスーパーサイヤ人にならないんですか?と聞くと、今はならなくてもいいんだ、と。

そして始まる悟空とフリーザの戦い。

結果、悟空の方が少し上手。

しかしお互いにまだ奥の手を秘めていることを察知し、フルパワーでやろうと。

先に悟空が奥の手を披露。
髪もオーラも青いスーパーサイヤ人ゴッドの力を持ったスーパーサイヤ人に変身。

次にフリーザも変身。

身体が黄金色に輝くゴールデンフリーザに。

フリーザがこんなに強くなるとは想像していなかった悟空は驚きつつも再び激しい戦いが。

さっきまで押してた悟空が逆に押されるほどフリーザの力は増しており、悟空はあっという間にボロボロに。

しかし悟空はそこでフリーザの弱点に気付く。

それはフリーザがまだゴールデン状態に慣れていないということ。
ゴールデン状態を会得してすぐに地球にやってきた為に、スーパーサイヤ人状態に慣れている悟空達とは違って体力の消耗が激しいと。

その指摘通り、益々体力が落ちていくフリーザ。

ついには悟空のかめはめ波で膝をつくフリーザ。

悔しがるフリーザがチラッと物陰に隠れていたソルベを見る。
フリーザの視線に気付いたソルベは、もしもの時の秘策としてフリーザに教えられていた通り、光線銃で悟空の左胸を一撃。

貫通した銃撃にスーパーサイヤ人状態も解けて倒れ込む悟空。

こんなことも有ろうかと秘策を考えておいて良かったと高笑うフリーザ。

倒れた悟空を何度も蹴り、貫いた胸を踏みにじる。

ふとベジータの方を見たフリーザはベジータに止めを刺させてあげようと提案。

ベジータは何も言わず悟空の前へ。

笑うフリーザをよそ目に、悟空にだから言わんこっちゃないと。

振り返り、フリーザに こいつは俺が強くなるために必要だから殺すつもりはない と。
惑星ベジータを消したお前を消滅させる と言い放つ。

クリリンに最後の仙豆を悟空にやれ!と言い、ベジータも青髪の超サイヤ人ゴッドSSに変身。

俺はあいつみたいに甘くないぞ!と圧倒的な強さでフリーザを叩きのめし、ついにはフリーザのゴールデン状態も解けてしまう。

最後の止めを刺そうと 二度と蘇るんじゃねぇぞ! とベジータが言い放った瞬間、
お前達もね! とフリーザが地球の核に向けて大量の気を放つ。

すると地表は割れ、一気に地球は爆発。

見に来ていたウイスのシールドに守られ、悟空や悟飯ブルマ達は無事だったが、地球は粉々。
守られなかった仲間や地球人は全員死に、宇宙空間に投げ出されたベジータも死んでしまったと。

フリーザは元々宇宙空間でも生きていける為、まだ生きている。

そんな絶望の中、果たして悟空達はどうやってフリーザを倒すのか。
そして死んでいった仲間達の運命は。

感想とか

勝手に採点

一人で観る 2.0
友達と観る 2.5
デートで観る 1.0
お子様と観る 2.0

採点ポイント

全体的にバトルシーンが多く、ずっとドンチャカしてるので人によっては退屈してしまうかも。

原作も勿論ですが、より広く理解するには「銀河パトロール ジャコ」という作品も抑えておく必要があります。

巻『F』

本作の映画入場者から全国で先着150万人に数量限定で鳥山明氏描き下ろし脚本完全収録 JC最“神”刊『ドラゴンボールZ巻「F」』がプレゼントされます。

その内容のほとんどが映画本編の内容を明かすものとなっているので
カバーにも厳重に忠告が書かれています。

大まかな内容は

・鳥山明からのコメントや映画ができるまでの簡単な流れ
・キャラクターの設定資料
・フリーザ軍とサイヤ人の相関図や豆知識
・映画本編の脚本内容

この脚本内容ですが、触りだけだと思いきや、映画の内容が最初から最後まで全て書かれています。
また、映画本編でも映像化されてない部分などがあり、秘話なども隠れているので映画を見終わった後に読んで楽しめる内容になっています。

スーパーサイヤ人ゴッドのパワーを持ったスーパーサイヤ人 と ゴールデンフリーザ

もうなんのこっちゃですが、その名の通り、今作ではスーパーサイヤ人ゴットの力を持ったスーパーサイヤ人が登場します。

(公式では超サイヤ人ゴットSSと略されていたので、以下はそう書かせて頂きます)

水色の意味は限界を超えて、より強く、より穏やかになり、冷静に戦えるようになったことを表しているのだとか。
オーラもこれまでのスーパーサイヤ人のようなギャンギャンしたものとは違って、柔らかいモヤモヤのようなものに変わっていました。

一方、トレーニングによってもう一段階 変身できるようになったフリーザは、自ら名付けたとおり金色のゴールデンフリーザになります。

金色の意味は金メダルの最強という感じをイメージしているのだとか。

体力が十分にある状態ではゴールデンフリーザの方が強かったです。

このフリーザですが、最初画像で見た時は ダサっ と思ってしまいましたが、実際に動いて戦っているシーンを見るとそれなりに格好良かったです。

ほとんどがバトルシーン

前作の「神と神」で多く言われていたバトルシーンの少なさに対して、本作は内容の殆どがバトルシーンです。
なので、前作の雰囲気を楽しめた人は本作では少し退屈かも知れません。

欲を言えば、フリーザのトレーニングシーンや殆ど始めてドラゴンボールを見る人用に多く回想シーンを入れるなど、所々掘り下げて欲しかったなぁ と。

逆に前作でバトルの少なさに退屈していた人は、大興奮のバトルシーンが繰り広げられるので、飽きないかも知れません。

ただしかし昨今のハイクオリティなアニメーション作品を見た後での本作のバトルシーンは、やはりどこか演出が単純というか。
見せ方が少し下手に思えてしまったのも正直な感想ではあります。
でもこれまでのドラゴンボールからすると大きな成長なので、新時代のドラゴンボールの動きとして見れば十分な見応えはあると思います。

河パトロール ジャコ

2013年7月から週刊少年ジャンプで短期連載されていた鳥山明の漫画「銀河パトロール ジャコ」に出てくるジャコが本作にも堂々と登場します。

この「銀河パトロール ジャコ」は最終話でドラゴンボールの冒頭に繋がる終わり方で、世界観を共有しており、最終話では幼少期のブルマが登場するなど、密接な繋がりがあります。

そのジャコがいよいよドラゴンボールの世界にやってきては、思いの外活躍します。
ただ、あれだけ小さかったブルマがジャコをパっと見てすぐに思い出すのは、流石の天才脳の持ち主だからなのか。

クリリンの携帯電話の着信音

クリリンの声優 田中真弓と言えば「ONE PIECE」のルフィの声も勤めていますが。
本作で、クリリンが持っている携帯電話の着信音が、まさにONE PIECEの主題歌「ウィーアー!」でした。
多くの人が気付いたと思いますが、なかなか良い演出でしたね。

ただの光線銃で倒れる悟空

ここは見た誰もがツッコんだ部分だと思います。
超サイヤ人ゴッドSS悟空がフリーザの手下から不意打ちされた、ただの光線銃で致命傷を負うという展開。

いくら体力が削られていたとは言え、いくらフリーザが作った光線だったとはいえ、通常状態でもない悟空がただの光線銃で倒れてしまうとは。

ここは冒頭でウイスに指摘されていた「気を抜いていれば身体なんて脆い」と言ってた事の付けだと思いましたが、いくらなんでも超サイヤ人ゴッドSSの状態にたった一撃で致命傷を与える光線なんて、最強過ぎやしませんか?

圧倒的に強いフリーザはおらず

かつて圧倒的な強さを持っていたフリーザ。
その強さには絶望感すら覚えましたが、本作ではその絶望感があまりなく、最終形態のフリーザが通常状態の悟空とほぼ互角の強さという点も非常に残念でした(ここではせめて少し優勢に立って欲しかった)。

ゴールデンフリーザになった後も、超サイヤ人ゴッドSS悟空よりも少し強いのみで、体力がなくなってからはボコスカやられるだけ。
フリーザの恐さというものがあまり感じられませんでした。

せめて最後に残った仙豆をフリーザが奪って、再び悟空ピンチ!という展開とか…。

フリーザが自分の弱さに「なぜだー!!!」と叫び、大地を揺るがすシーンがあるのですが、

あそこでさらにパワーアップしたら面白かったんじゃないかな~と思いましたが、結局そのままダラ~と流れていってしまいました。これが鳥山明が描いた展開なら受け入れるのみですが。

ウイスとビルスが邪魔

せっかくの見せ場の激しい戦いの合間にも、どうでもいい掛け合いで戦いのテンポを崩してしまう二人。
これが鳥山ワールドと言われれば、それもそうですが、ちょっとドラゴンボールらしくない水の差し方でした。

そんな中でも一番残念だったのが、ビルスが居る事によって、フリーザの格が大きく下がってしまったこと。

フリーザは父親から「魔人ブウとビルスだけには手を出すな」と言われていたと本作で説明されていましたが、ビルスを目の前にして怯えて 様付けで呼ぶこんなヘタレフリーザ見たくなかったです。

元より、復活したフリーザは結果的に体力減少でパワーダウンするぐらいなら、ウイスに匹敵するぐらいの強さを持っていても良かったかなぁと思いますし。

そもそもビルスにも臆しないフリーザが見たかったです。

クリリンと亀仙人の共闘

これは別にそういう意図で描かれたシーンでも何でも無いのですが、敵に囲まれ追い詰められた亀仙人のピンチを弟子であるクリリンがサポートに入るというもの。

特に亀仙人がやられてるから!とか、クリリン助けてくれてありがとう!というような演出はないのですが、その何気ないシーンを見て、今までクリリンと亀仙人が同じフィールドで戦うことも無かった分、弟子と師匠が一緒に戦っているシーンを見て何故か胸が熱くなりました。

逆に悟飯がピッコロを助けるシーンは何故かあんまりでした。

亀仙人の強さが異常

その亀仙人ですが、今作では見事なまでにその戦闘力を披露してくれます。

あえて本作のタイトルは「復活の亀仙人」と呼んでもいいぐらい、今も尚その強さは健在どころかパワーアップしていました。

そのMAXパワーの亀仙人は片手でかめはめ波が打てるほど。

本気を出せば亀仙人もここまで戦えるのか、いつもと違ってふざけない亀仙人の勇士が見られて良かったです。

惚れ直す18号

フリーザの復活を知ったクリリンは私も行くと言う18号に、いや18号は子供を守ってくれと胴着に着替え、伸びた髪を18号に剃ってもらい、「よし!行ってくる!」と飛び立っていくクリリンに「かっこいい…」とボソりつぶやくシーン。

結構クリリンからの一方的な愛が多くあったと記憶しているので、改めて18号のクリリンへの気持ちが聞けてほんわかします。

悟空とベジータは永遠のライバル

ビルスが言った用に最初から悟空とベジータが手を組めばゴールデンフリーザに勝てるというのに、最後まで協力することもなく、やられていく悟空に声すらもかけないベジータ。

過去に何度か手を組んだ二人は、最近では結構馴れ合ってた所もありましたが、悟空の 戦いはやっぱ一人でやりたい! という意識とベジータの 高いプライド を象徴した展開に、これが悟空とベジータの本来の関係性なんだなと、改めて思うことが出来ました。

ヤムチャやゴテンクスなどの姿が見られなかったのは残念ですが、前作のようにキャラクターを出し過ぎてゴチャゴチャしてしまうよりも今作は出すべきキャラクターを搾って一人一人の見せ場もきちんと作られていたので私は楽しめました。

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